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「採用基準」のすすめ_3

日本人の勘違い

日本における「優秀な人」の問題は、チームで取り組むことで、個人で取り組むより高い成果を達成したという経験を持たない人が多いことです。この国ではむしろ優秀な人ほど「みんなでやるより自分一人でやった方が早い」と考えています。
日本人はよく「アメリカは個人主義で、日本は組織力」などと言いますが、これはむしろ反対です。

「優秀な人ほど『みんなでやるより自分でやった方が早い』と考える」
まさにその通りだと感じました。人に頼むことができず、何でもかんでも自分一人で背負い込み、消耗していく。

本当に優秀な人は、人を動かします。一人でやるよりも、二人でやる方がいいに決まっています。
しかし、日本人はどうしてそれができないのか。それはリーダーシップが欠けているからです。人を動かすためにはリーダーシップが必要です。人に動かされるにもリーダーシップが必要です。しかし、日本では、いずれの立場の人もリーダーシップが不足している。だからこそチームはうまく回らない。日本の労働生産性は低いままなのです。

チームがうまく回らないとすぐにリーダーの愚痴を言う事でしょう。しかし、チームが回らない原因は、リーダーが力不足であって、かつメンバーが力不足であるからにほかなりません。たとえリーダーが未熟であったとしても、メンバーがリーダーシップをもってコミットできていれば、チームは成果を挙げられます。その中でリーダーはリーダーとして成長し、優秀なメンバーがまた一人増えていく。そうやってチームは成長していくのです。
リーダーシップを持たない人ばかりあるならば、チームは成長できないのです。だからこそ、組織を成長させていくためにはリーダーシップが不可欠です。組織を大切に考えるのであれば、リーダーシップが何よりも重視されるはずなのです。だからこそ、アメリカでは採用基準としてリーダーシップを重視される。一方で日本はリーダーシップなんて言葉すら正しく理解されていない。どちらが本当に組織力があるのでしょうか。

『みんなでやるより自分でやった方が早い』というのは勘違いです。自分にはリーダーシップが欠けているんだという事に気付きましょう。
多くの人を効率的に動かせる人が優秀な人であって、効率的に動いてくれる人が優秀な人です。「なんかこの人とだと仕事がはかどるな」というのは、相手がリーダーシップを兼ね備えているからです。そういう人を評価できる社会になってほしい。
それはただ作業が早いとか、計算が早いとか、そういった事ではありません。もっともっと、なんでか分からないけど、スムーズに仕事がはかどるなと感じた時、それはその人がリーダーシップを兼ね備えているからなのかもしれません。

まとめ

今回は日本の問題点について考えてみました。
大企業に入ると、ヒエラルキーを言い訳にして思考停止する習慣が身についてしまう。それが一番危険な事です。常にクリエイティブであることを目指しましょう。クリエイティブでいるためには、頭を使わないといけません。頭を使えない人は、コモディティ化して、安値で売りさばかれてしまうでしょう。
そして、どういう人が優秀な人なのかという所を今一度見直してみてください。上で説明したように、組織として成果を上げていくためにはリーダーシップが不可欠です。リーダーシップがない人なんて、どれだけ計算が早くできたって、どれだけ論理的に考えられたって、何の価値もありません。パソコンを一台買った方がずっといい。
リーダーシップというスキルは、世界的に注目されています。すぐにでも学び始めるべきスキルです。ぜひ本書を手に取って、リーダーシップとは何なのか、勉強してみてはいかがでしょうか。


あとがき

リーダーになるために、神がかったカリスマ性や生まれながらの卓越した能力、溢れるような人間的魅力が不可欠というわけでもありません。リーダーとは何をすべき人なのか、そのためにどう振る舞うべきかを理解し、小さな場面でそれらを体験して成功体験を積み重ねることにより、ごく普通の人がリーダーとして活躍できるようになるのです。