2021年3月、クラウドファンディング「数学マップ」、114人の方々から334,500円をご支援頂き、人生マッププロジェクトスタート!

お金は一つのツール

お金は資本主義社会にとって最も重要なものかもしれない。
お金の性質、贈与・交換との関係を見てみよう。


目次
  • お金のインセンティブ
  • まとめ

お金のインセンティブ

イスラエルのある託児所。この施設は、親たちが子供を迎えに来るのが遅いという問題に直面していた。そこで託児所は、遅刻する親たちに罰金を科すことにした。
するとどうなったか。予想に反して、親たちは遅刻回数を2倍にするという反応を見せた。
(中略)
罰金という金銭的サンクション(制裁)によって、逸脱行為や違反を減らそうと試みた結果、逆効果になってしまったという、大変興味深い事例です。
(中略)
なぜそんなことが起こったのかというと、申し訳なさやうしろめたさを、金銭と交換させてしまったからです。金銭を払うことで負い目をチャラにできてしまったのです。

贈与と交換の違いを正しく理解できているだろうか。
交換には反対給付の義務は付随しないが、贈与には反対給付の義務が付随する。交換は非常に合理的である一方で、贈与はとても厄介で面倒なものである。それらの特性をしっかりと把握しておかないと上記のような失敗を招くことになる。

合理性ばかりを重視して、それが本当に人の営みとしてあるべき姿なのだろうか。
イスラエルの託児所の問題を解決するためにもっと罰金を高くすればいいという解を出す人がいるかもしれない。そうかもしれないが、そうすることでこれまでの均衡を保っていた気遣いや思いやりといった人の営みが失われていく。お金とはそういうものである。

お金とは人を動かす一つのツールでしかない。
問題を解決する手段はいくらでもあるのに、すぐにお金に頼ってしまうというのは甘えでしかない。お金以外の最適解があるのではないかと830は感じる。

おごりやプレゼント、様々な文化が人間社会には存在する。最近830はこれらに違和感を感じる。人に感謝を伝えることが目的なのに、おごりやプレゼントに頼ってしまってはいないだろうか。
お金は非常に便利なツールである。しかし、お金というツールは人間関係を無機質なものにしてしまうということを覚えておく必要があるだろう。
感謝を伝えるための手段は他にもたくさんあるはずだ。目を見て「ありがとう」と伝えればいい、頭を下げてもいい、握手でもハグでもいいだろう。お金に頼らない人と人のコミュニケーション、有機的で心の通わせた手段に目を向けてみてはどうだろうか。

まとめ

今回はイスラエルの託児所の例を参考に交換と贈与について考えました。資本主義において、お金は切っても切り離せないものかもしれません。しかし、そればかりに傾倒してしまうと人として見るべきものが見えなくなってしまうかもしれないという危機感も強く感じます。

お金とは既得権益者が労働者を効率的に働かせるためのツールとして利用されます。末端人材がお金に縛られるというのが本当に幸せに繋がるのでしょうか。敷かれたレールの上を走れば、誰かの思い通りに動かされてしまいます。

自分の感性に大切にしながら一つ一つの選択を下していきましょう。


あとがき

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はあくまで830の主観を織り交ぜた上で、書籍の紹介をさせて頂いております。書籍との食い違いが生じてしまっている場合もございます。ご理解頂けますと幸いです。
正確な情報については、是非原本をご購入の上、お読み頂けますよう宜しくお願い致します。

また、2月よりクラウドファンディングを企画しております。
興味を持って頂けましたら、是非ご支援・ご協力・拡散のほど、よろしくお願い致します。