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9割の社会問題はビジネスで解決できる


本日はCR-SISの参考図書とされておりました田口一成さんの書かれた「9割の社会問題はビジネスで解決できる」を紹介させて頂きます。
著者の田口さんがCR-SISの入学式に講師として参加して下さっていたこともあり、本書が参考図書とされておりました。

田口さんはボーダレス・ジャパンを起ち上げられた起業家です。
ボーダーレス・ジャパンはソーシャルビジネスだけを行う会社として創業されました。
社員それぞれが解決したい社会問題に対してビジネスを提案し、グループ会社として起業を行っていきます。社会起業家の数だけ社会問題を解決することができる。だからこそ、社内から社会起業家を増やし、グループ会社を増やしていく。一番苦しいビジネスの立ち上げをみんなでサポートできる環境をボーダレス・ジャパンは作っています。

ソーシャルビジネスとその他のビジネスの違いは、ソーシャルビジネスが社会課題からスタートするという所にあります。
一般的なビジネスは利益の追求に重きが置かれ、利益が上がる市場、利益が上がる手段の下に起ち上げられます。一方ソーシャルビジネスは解決するべき課題が最初にあり、それを解決するためにビジネスが構築されていきます。
ここで注意しないといけないのは、ソーシャルビジネスが利益を度外視している訳ではないということです。あくまでビジネスモデルを創出する手順が違うというだけで、利益を上げるという点については一般的なビジネスとなんら変わりありません。

簡単な例で言うと、一般的なビジネスで服を作る場合、どんな服に人気があるのか、どんな服が流行っているのかという所を起点にして、自社ではどんな服を作っていくのかを考えます。
一方ソーシャルビジネスでは、解決するべき課題は何なのか、それを解決するためにはどんな仕組みでどんな商品を作るべきなのかを考えます。そうやって作られる商品はいくらになるのかを算定し、その商品を買ってもらうためにはどんな層にどんなマーケティングを行っていくべきなのか、どんな付加価値をつけなければいけないのかを考えていく。
市場に合わせて売れる商品を作っていくのが一般的なビジネスとすると、ソーシャルビジネスは自分たちが作るべき商品をどのような市場でどうやって販売していくかを考えていくのです。

そうやってソーシャルビジネスを考えていくのは非常に難しいことではありますが、多くの社会問題を解決していくために立ち上げをサポートする環境を整えようとしていくのがボーダレス・ジャパンであり、田口さんです。
ボーダレス・ジャパンはたくさんのグループ会社を抱え、既に軌道に乗っている会社もあれば、これから進みだそうとしている会社もあります。軌道に乗っている会社が資金面や会社管理の面などで多くの費用を負担し、スタートしたばかりの会社を支えられるような仕組みになっています。
そういった支えの下でうまくいった会社は、また新しい会社のために費用を負担する。好循環の中で多くの企業が輩出されています。

性悪説な従来の企業に勤めていては到底信じられないような、性善説に成り立つボーダーレス・ジャパンの仕組みはとても勉強になるのではないでしょうか。
本書の中では、ボーダレス・ジャパンが取り組む様々なソーシャルビジネスも紹介されておりますので、是非手に取って参考にしてみてはいかがでしょうか。
「ソーシャルビジネスを通じて社会問題の解決に取り組む社会起業家集団」であるボーダレス・ジャパンの考え方はきっと新たな視点を与えてくれることでしょう。