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「世界の再生可能エネルギーと電力システム[経済・政策編]」_1

前回までに紹介してきた「『再エネ大国 日本』への挑戦」に続いて、今回もエネルギー関連の一冊を紹介させて頂きます。
再生可能エネルギーがどうして注目されているのか。再生可能エネルギーに残る問題はどこにあるのか。この一冊を通して学んで頂ければいいなと思います。
参考になる一冊なので、興味を持って頂けた方は、是非読んでみてください。

目次
  • クスリたっぷりの電気
  • 局所解から抜け出す
  • まとめ

クスリたっぷりの電気

近年は技術が進み、農薬によって見かけがきれいな野菜が安く大量に作れるようになりました。抗生剤によって家禽を過密に飼育したり、成長ホルモンを投与しながら牛豚などを育てることで、食材を安く仕入れることができるようになりました。
しかしながら、自然に育てられた食材とクスリたっぷりに育てられた食材があったとしてあなたはどちらを食べたいですか。農薬などを否定するわけではありませんが、長期的に見てリスクがないとは言い切れない。二つの食材が並べられていたとしたら、自然に育てられた食材を食べようと思うのではないでしょうか

電気についても同じ状況です。火力発電などの技術は洗練され、安く電気を作れるようになりました。
一方でCO2排出の問題が注目されおり、長期的に見た時に地球温暖化という問題を招きかねないことが予測されています。現状のレベルでは、本当に火力発電が原因になっているのか、地球温暖化が進んだ時に問題があるのか、正確に予測することはできません。しかしながら、クスリたっぷりの食材を食べるのと同じように、リスクがあることは言うまでもないでしょう。
私たちは今、CO2を多量に排出するクスリたっぷりの電気を享受しているのです

今は再生可能エネルギーという技術が進み、CO2フリーの電気を作れるようになっています。クスリたっぷりの電気だけではなくて、自然に育った電気を使えるようになっています。自然に育てられた電気とクスリたっぷりの電気を並べられた時、あなたはどちらを使うでしょうか。

再生可能エネルギーを考える時、そのコストの高さがいつも問題視されます。しかし、少し値段が高くとも、無農薬の野菜を選ぶ人は現にたくさんいます。それと同じように、電気の売買においても全ての個人にその選択をできるようなシステムを構築することが必要なのではないでしょうか。

少しずつこういった動きもみられていますが、当然ながら食品に比べると、電気の世界でこういった動きは非常に鈍い。全ての人が自由に選択できる社会づくりが求められているのではないかと830は考えています。
CO2フリーの電気に特化した電力会社がたくさん現れるようになれば、大きくエネルギーインフラは変わっていくのではないかと830は感じています。再生可能エネルギーを導入するために、必ずしも現状の電気料金よりも安くする必要なんてないそれだけの価値がCO2フリーにはあると830は考えていますし、同じように考える人がたくさんいると思っています。