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「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」_2

今回は、「ハーバードの人生が変わる東洋哲学」の第二回目として、意思決定について記事を書いていきたいと思います。
「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」の内容にも似ているのですが、現代主流となっている論理的思考は本当に正しいのかという議論になります。
「論理が絶対的な正解なのか」という疑問は、何も現代だから生じたものではなくて、古来から問われ続けてきたものであったのだという所に驚きました。
この疑問に対する孟子の答えを紹介します。


目次
  • 第三の意思決定モデル
  • 心を耕す
  • まとめ

第三の意思決定モデル

ふつうわたしたちは、二つのモデルらしきものを頼りに決断を下す
一つは、「合理的選択」モデルだ。膨大な調査をし、よい点と悪い点のリストを作り、リスクと効果を天秤にかけ、最大の努力で最善の結果を上げようとする。
そうでなければ、もう一つの「本能的な勘」モデルを選び、自分がなにを「正しい」と感じるかという直感をもとに決断を下す。
じつは第三のやり方がある。常に感情の感度を研ぎ澄まし、感情と理性が協調して働くようにすれば、将来を閉ざしてしまう決断ではなく、前途を切り開く決断を下すことができる。

「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか」では、論理的思考ではありきたりな選択しかできなくなってしまうために、『美意識』つまり『直観』で選択することが大事になってくると書かれています。
しかしながら、どちらか一方に触れてしまうというのは非常に危険で、『論理』と『美意識』の間で中庸的な選択をしていくことが大切であると。

孟子も、「合理的選択」モデル・「本能的な勘」モデルを否定している。
様々なことを考えて、合理的に選択したと思っていても、それが真に合理的とは言えないと。多くの研究が、「しばしば感情が理性を乗っ取る」と結論付けているのだそうだ。
一方で、直観は未熟な、あるいは利己的な願望の表れにすぎない場合も多く、本当の意味で正しい行いという感覚に基づいていないと。

そこで、孟子は感情と理性を協調させて選択を行う「第三の意思決定」モデルを推奨しています
「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか」と同じ結論に行きつくわけです。

しかし、「第三の意思決定」モデルを実行するには、感情を研ぎ澄ましておく必要があると述べられています。感情を研ぎ澄ますとはどういうことなのか、どうやって感情を研ぎ澄ますことができるのか、次のテーマで確認してみましょう。