2021年3月、クラウドファンディング「数学マップ」、114人の方々から334,500円をご支援頂き、人生マッププロジェクトスタート!

830の社会人生活_4_人の自信をそぐのは簡単だ

新入社員研修の中で、グループディスカッション(GD)や発表をすることはたくさんあります。会社に入ると、報告したり、プレゼンしたりする機会も多くなってくると思います。その都度、上司からフィードバック(FB)を受けることになります。そういった中で、FBを通して人の自信をそぐのは簡単なのだなあと感じました。その点について記事を書こうと思います。

目次
  • 新入社員研修のプレゼンの問題
  • フィードバックへの対応
  • まとめ

新入社員研修のプレゼンの問題

  • プレゼンテーマの目的・制約条件
  • 5W2H
  • 論理的な繋がり
  • オーディエンスへのインパクト

プレゼンにおいて考えるべき項目はたくさんあります。新入社員研修では、何を考えないといけないのかをしっかり教え込んでいくことが最大の目的となります。
しかしながら、考えるべき項目が多いために、一度のプレゼン企画で全てを伝えることはできません。そのため、何度もプレゼンを企画し、その都度いくつかの項目を伝えていくことになります。830の受けている新入社員研修でも、まさにそのような形で複数回のGDが行われます。

その中で、FB次第で簡単に新入社員の自信をそぐことができてしまうなと感じました。新入社員側は、そういった仕組みや主催者側の状況をしっかり把握した上で、FBを聞き入れないといけないと。

普通の業務であれば、たくさん考えないといけない項目があることを把握した上で、上司の好みや事業上での必要性を加味した上で取捨選択することができます。というよりも、取捨選択をしていかないと、いくらでもプレゼンが長くなってしまいます。この取捨選択をきちんと行うことで、コンパクトに適切なプレゼンを作っていくことができます。

一方で、新入社員研修という特殊な場面では問題が生じます。
プレゼンター側がプレゼン項目の取捨選択を行う上で、「上司の好み」や「事業上の必要性」といったように、項目のプライオリティが確立されていることが非常に大切になります。しかし、新入社員研修では、複数のGDを通していくつものプレゼン項目を紹介していきます。そのために、プレゼン項目のプライオリティというのは毎回毎回変わっていってしまうのです
これがどうして問題かというと、GDのFBが全てマイナスなものになってしまうのです。1回目のGD(GD1)のFBで、「論理的な繋がりを意識して発表しないといけない」と指摘されたとします。真面目な人は次の発表(GD2)で、しっかり論理的なプレゼンを作り上げるでしょう。しかし、FBでは「聞いている人にインパクトを与えられるようなプレゼンじゃないとだめだ」と指摘されます。GD3ではそれらの点を意識してプレゼンを作ったとしても、「目的や制約条件を考えないとだめだ」と指摘される。新入社員研修では、大切にしないといけないプレゼン項目が毎回変わっていくために、以前指摘された部分を精査したところで、次回のプレゼンでは違う視点から指摘されてしまう。指摘されたところを真面目に聞き入れて、丁寧にプレゼンを作った人に限って、次回のプレゼンではいい評価がもらえなくなってしまう。

そんなことをしている内に、自分は何をやってもダメだと思ってしまう人もいるでしょう。駄目なシステムだなと感じました。
830が新入社員を指導する立場なら、まずプレゼンで注意すべき項目を一覧にして新入社員に渡します。そして、「次のプレゼンではこの項目を重視して取り組んでみてね」って条件を与え、その項目についてしっかり考えさせてから、こうやって考えていくのが王道だよってFBで答え合わせをします。
このように、先にどこを意識してほしいのかを伝えておく方が実際の状況に近いかなと思います。FBになって初めて、ここを意識しないとダメだっていうのは後出しじゃんけんで、新入社員は絶対勝てないシステムになっている。新入社員は後出しじゃんけんに負け続け、自信をなくしてしまうのです。