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「外来種は本当に悪者か?」_1

真犯人

私たちが外来種を好きになれないのは、外来種それ自体への反感というより、自然に対して人間がやってきたひどい仕打ちを思い出すからかもしれない。

「外来種は本当に悪者か?」 ブレッド・ピアス

「外来種が侵入してくると在来種が絶滅する」ために、外来種は悪者だと考えられている。しかし、必ずしも外来種の侵入が在来種の絶滅を引き起こしたという証拠はない。一方でこんな見方がある。「もともと在来種が絶滅しかかっていており、在来種の減少で空いたスペースに外来種が入ってきた」のではないかというものである。
例えば、工場や住宅街からの排水によって水質が汚染された海洋において、海藻が息絶えていく中、そういった厳しい環境でも生存することのできた外来種が繁茂したというケース。むしろこういった場合では、海藻の絶滅によってむき出しになるはずだった土壌を、外来種がカバーしてくれたと考えることができる。その外来種によって、在来種の魚たちは住処を失わずに済んだのである。さらに、時として外来種が水質改善に寄与するケースもあったという。

こういうケースにおいても、在来種絶滅の責任は往々にして外来種に課されることが多い。しかしながら、本当に在来種絶滅を引き起こしたのは外来種なのだろうか。真犯人は人間なのではないだろうか。その責任を転嫁するために外来種を引き合いに出したに過ぎないのではないだろうか。

正直、どちらの意見にも確証がない。在来種を崇拝する人は前者を唱えるし、外来種を擁護する人は後者を唱える。外来種が侵入してこなかったケースを再現することは不可能なので、答えの出ない問題であって、これについて議論を深めるのは意味がないと830は思います。
しかしながら、双方の考え方をしっかりと踏まえた上で、私たちはフラットな立場から物事を見ていかないといけないなと感じました。しっかりと状況を踏まえた上で自分の考えを持たないといけない。メディアから流れてくる問題を鵜呑みしてはいけない。

まとめ

本書では自然界における在来種と外来種に言及されていますが、どうしても830は人間界と重ね合わせてしまいました。外来生物に限らず、人間界においても侵入者に対して、根本から悪者であるように関わってしまうことが多いのではないかと。
また次の記事で考えてみようと思います。

あとがき

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
本記事はあくまで830の主観を織り交ぜた上で、書籍の紹介をさせて頂いております。書籍との食い違いが生じてしまっている場合もございます。ご了承の上、ご理解頂けますと幸いです。
正確な情報については、是非原本をご購入の上、お読み頂けますよう宜しくお願い致します。
今後も宜しくお願い致します。