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「第四次産業革命」を生き抜く_考察

今回は、前回に引き続き、「『第四次産業革命 』 を生き抜く」について記事を書いていきます。この一冊から得た830の考察について書いていきますが、本書で語られる様々な技術の長所・短所に加え、この変革の中で求められるリーダー像について書いていきます。
それではいきましょう。


目次

  • 考察
    • 先端技術について
    • 新しいリーダーシップのための考え方
  • まとめ

考察

先端技術について

本書では先端技術を「デジタル技術を拡大する」「現実の世界を改革する」「人間を改造する」「環境を統合する」という4つにカテゴリー分けし、それぞれ3つの先端技術、合計で12のテクノロジーについて紹介していくれています。本ブログでも、これに即した技術分野の紹介をしていこうと思います。

デジタル技術を拡大する

ここではデジタル・インフラやネット環境の拡大から生まれるデジタルデータに関する技術革新について触れています。近年巷で多く取り上げられているのは、この分野なのではないでしょうか。

  • 量子コンピューティング
    長所:計算処理が高速化する・IoTやブロックチェーン技術が可能になる
    短所:過大なエネルギー消費が必要になる・暗号技術が解読されうる
  • ブロックチェーン
    長所:すべての取引が見える化される・取引の信頼性が向上する
    短所:データの見えるかによるプライバシーが問題になる・システムがハックされうる
  • IoT
    長所:あらゆるものがデータ化される・全く新しいサービスが生まれる
    短所:サイバーセキュリティの重要性が高まる・デバイスの点検整備が必要になる

ブロックチェーンやIoTというのはよく耳にする言葉ですが、これを下支えしている技術がコンピューターの計算の高速化です。その中でも今注目されているのが、量子コンピューティング。計算速度は飛躍的に向上する事が想定されています。ブロックチェーンやIoTによって、今まで以上に多くのものが繋がり、見えるかされ、デジタルデータとして管理されるようになった時に、その安全性はとても大切な問題となります。現在使われている暗号技術も、量子コンピューティングによって解読されてしまう危険性が指摘されています。新しい技術によってこれまででは考えられなかったようなサービスが現れてくることが想定されますが、単純に迎合するのではなく、これまで以上にサイバーセキュリティという点については注意を払っていかないといけないのではないでしょうか。

現実の世界を改革する

ここではデジタルを用いた技術によって、現在の物理的な生活を大きく向上させるであろう技術について紹介します。よりハードウェアベースな技術革新になります。

  • AI
    長所:機械学習によって作業や判断が機械化される・自動運転などによって仕組みが自動化される
    短所:AIによる判断は倫理的かどうか
  • 先進材料
    長所:コンピュータの小型化を実現する・高性能蓄電池などの新たなデバイスを創出する
    短所:生態系への影響の有無
  • 3Dプリント
    長所:設計図と材料の取引のみになる・臓器の作成も可能になる
    短所:問題が生じた時の責任の所在が不明になる・危険な物品の管理が難しくなる

AIによって多くの仕事はロボットに取って代われるのと同時に、多くの判断がAI任せになる事も考えられます。投資や雇用の判断や健康診断など、多くの判断が機械学習を施したAIに任せられるようになる。AIによる判断はデータ上は最良であっても倫理的に認められうるものかどうかは分かりません。この倫理的な問題は技術の進歩において常に付きまとう問題です。先進材料の開発によって生じうる環境問題は許容しうる範囲なのかどうかという点については、非常に倫理的な問題であって判断が難しくなってくる領域でもあります。こういった合理性だけでは判断できない選択はAIが行う事ができず、人類全体で協同していかなければいけない部分となっていくでしょう。

人間を改造する

新たな技術は人間の中にさえも入ってくるでしょう。モニタリングデバイスを腸内の菌に植え込むことで、腸内環境を管理し、腸内環境が崩れた時に一定の対応を実施するという技術も開発されているようです。常に体の中にロボットを入れながら自己管理を行う、サイボーグのような未来も近いのかもしれません。

  • バイオテクノロジー
    長所:遺伝子組み換えによって人間を成長させる
    短所:倫理的な問題・技術導入段階の公平性を担保できるか
  • ニューロテクノロジー
    長所:記憶を書き込めるようになり勉強が不要化する・脳機能向上でボケなどを無くす
    短所:倫理的な問題・人体への影響が不明である
  • ARとVR
    長所:様々な体験が可能になる・あらゆる人とあらゆる形で繋がる事ができる
    短所:現実感覚が喪失されうる

バイオテクノロジーやニューロテクノロジーは現実的に考える事ができないくらい大きな変化を人類にもたらすでしょう。遺伝子組み換えによる人間の長寿化や記憶の書き込みなど、まだまだSFに感じる技術ばかりですが、いつこれらが実現するかはわかりませんが注目しておくべき技術でしょう。しかしながら、これらは倫理的な問題にさらされるでしょうし、人体への影響も計り知れません。安易に開発を進めるのは危険な領域なのではないかなと830は感じてしまいます。ARやVRというのは近年浸透してきていますが、これらの技術によって実際に合ったり、経験したりしなくとも、仮想的に同じ体験をすることが可能になってきます。 「 デジタルネイチャー」という言葉もあるように、現実と仮想世界の境界線はどんどん薄れていくことになる。しかし、830はいずれも人間にとっていい影響を与えるものであって、将来的には両立し棲み分けが行われていくのだろうな感じています。だからこそ、こういった新しい技術に恐れることなく積極的に取り入れていくことが重要なのではないかなと思います。

環境を統合する

地球温暖化などのエネルギー問題が注目されており、どのように解決されていくべきなのか、この分野の新しい技術について紹介されています。エネルギーマネジメントの技術から、宇宙開発まで、様々な選択肢の中からどの解決策を選んでいくのか、しっかりと各個人としてもポジションを取っておく必要があるのではないかなと思います。そして、意見をもって「政治的になる」ことが必要であると830は思います。

  • エネルギーマネジメント技術
    長所:再生可能エネルギーによってクリーンに・バッテリの開発によってマネジメントが容易に
    短所:再生可能エネルギーによる新たな環境への影響
  • ジオエンジニアリング
    長所:CCSによってCO2の固定化が可能に・海洋や森林の肥沃化によってCO2を吸収する
    短所:地球温暖化と違う方向への環境問題が発生する
  • 宇宙開発
    長所:地球を超えた計り知れない可能性が宇宙に
    短所:宇宙ゴミの問題・開発におけてマルチステークホルダーの協力が必要である

エネルギーマネジメントについてお話しすると長くなってしまうので割愛させて頂きますが、現在の問題を解決すればまた違う問題が生じてしまうということはかなり高い確率で想定されます。常に生じる問題を柔軟にマネジメントしていくことが環境問題においては必須であると考えられます。しかしながら、ジオエンジニアリングはそのインパクトが大きくなることが想定されおり、最終手段としての意味合いが強いようです。最終手段として考えられているCCSや海洋肥沃化などについても実際に本を手に取って学んで頂ければなと思います。また、宇宙開発は非常に夢のある領域である一方で、多額の投資が必要になる。世界規模で協力し合いながら、人類全体で効率的に開発を進めていきたい領域なのではないでしょうか。