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一億総懺悔

今回からは「不死身の特攻兵」という一冊を引用したいと思います。
第二次世界大戦において、命を惜しまず戦闘機ごと敵国空母に突入していった神風特攻隊について書かれた一冊です。神風特攻隊は自ら「日本のために」と志願し突入していったと語られていますが、実際はそうではなかった。上下関係の中で、半ば強制的に自滅を余儀なくされていたのだというのが本書の訴えです。
九度も特攻隊に任命されながら、命からがら帰還した佐々木さんのインタビューも交えながら、当時の日本について考えさせられる一冊です。


目次
  • マインドコントロール
  • 一億総懺悔
  • まとめ

マインドコントロール

倉澤少佐は、戦後インタビューに答えて、大学出の「特操」に比べて、少年飛行兵は扱いやすいという持論を語りました。
十二、三歳から軍隊に入ってきているからマインドコントロール、洗脳しやすいわけですよ。あまり教養、世間常識のないうちから外出を不許可にして、そのかわりお小遣いをやって、うちに帰るのも不十分な態勢にして国のために死ぬと言い続けていれば、自然とそういう人間になっちゃうんですよ

この発言の中には、はっきりとマインドコントロールという言葉が使われています。マインドコントロールされた人が、自ら「国のために」といって志願することが本当に自由意思によるものだと言えるのでしょうか。
830は防衛医科大学を受験しましたが、現在でも防衛大学や防衛医科大学では外出が制限されているという話を聞きます。それがどういう目的なのかははっきりと分かりませんが、そこにマインドコントロールという目的があるとするならば、歓迎されるものではありません。
たとえ軍隊という組織を円滑に機能させるためだったとしても、マインドコントロールは認められない。各個人の自由意思を尊重した上で、円滑に組織を動かしていくのがトップの目指すべき姿であると思う。

大学院の時に居酒屋でバイトをしている時に、自衛隊の人たちがたくさんお店に来ていました。そういう人たちに接客していると、自衛隊に勧誘されることがしばしばありました。その時に自衛隊の人が口をそろえて言うことは、「こんなところで働いて何になる?自衛隊で国のために働かないか?日本を守らないか?」という言葉です。
その時は「さすが自衛隊、自分の仕事に誇りを持っているんだなー」って思っていましたが、この本を読んでみると、「それが本当に自由意思から出た言葉なのか、そういう風に脳に刷り込まれてしまっているだけではないか」と考えさせられました。

自由とは何なのか。自由意思とは何のか。自分の考え方とは何なのか。
非常に難しい問題だなと考えさせられます。